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2023年日本ダービー出走各馬レポート

日本ダービー

今年の日本ダービーですが、これまでと明らかに違う点がありますね。それはこの10年で6勝の勝ち馬を輩出したディープインパクト産駒が1頭もいないこと。まさに時代の変化点に入ったと言っても良いと思います。ちなみに残りの4勝はそれぞれハーツクライ産駒の2勝とキングカメハメハ産駒の2勝。つまり、日本ダービーとはこの3頭の種牡馬の独壇場で、それ以外の種牡馬の産駒はこの日本ダービーにおいては馬券内に入ることすら難しかった条件な訳です。

それが今年はディープインパクト産駒不在ということで、別の産駒が台頭する可能性が高くなりました。これまでのクラシック路線を見ていても傾向が少しずつ変わってきているよなと思う場面もあります。何が言いたいかと言いますと、時代は少しずつ変わり、ディープインパクト産駒のようにキレッキレの速い上がりを繰り出すようなタイプよりも、持続力タイプやタフな流れで台頭するようなタイプなど、これまで日本ダービーでは軽視してきた意外なファクターに的中のヒントが隠されているように思えてならないわけです。

今年はローテーション、ストレス疲労、鮮度以外にもこのようなところに注意を払ってみたいと思います。

以下出走各馬レポートです。

1-1 ベラジオオペラ(牡3、横山和生上村洋行

父:ロードカナロア 前走:皐月賞 3番人気10着

新馬戦から無傷の3連勝でスプリングステークスを制覇。延長臨戦の皐月賞ではしっかり前に行きショックが掛かって4角から絶好の手応え!と思いきや前半1,000mの通過タイムが重馬場にも関わらず58.5秒というまさかのハイペースに巻き込まれて苦しい流れとなった。リズムは崩れたがそれは勝ちに行った証であって、人気も背負っていたし何もしないよりは全然良かった。そして今回はその苦しさを経験した分楽な流れに感じるはずで、当然ストレス疲労も抱えてはいない。枠も絶好枠。人気も大幅ダウンの展開。19年のロジャーバローズになれる可能性は持って良い。

 


1-2 スキルヴィング(牡3、C.ルメール・木村哲也) 

父:キタサンブラック 前走;青葉賞 1番人気1着

→過去毎年のように言われる青葉賞組からの勝ち馬はご存知の通りZERO。少し古いがシンボリクリスエスとかゼンノロブロイでも2着どまり。4馬身差圧勝から臨んだペルーサも人気に支持されたが掲示板外。アドミラブルも2馬身半差楽勝から1番人気で挑むも3着が精一杯。このジンクスを破る可能性を秘めている素質馬。では今年のこの馬の場合はどうか。人気に応えているが着差は半馬身差先着とストレス疲労を少し抱えていて、前述の4頭と比較しても少し危ないかなと推測するが、完結Vラインを刻んでいるので走る気はありそうなのと、3走前が未勝利戦で鮮度は十分。加えて鞍上ルメール皐月賞3着馬ではなくこちらを選択したことでこの馬のいつもの走りは出来るだろう。芝24が3戦連続という体力的な部分は気になるので、鮮度でどれだけ乗り越えて来れるか。

 


2-3 ホウオウビスケッツ(牡3、丸田恭介・奥村武) 

父:マインドユアビスケッツ 前走:皐月賞 7番人気17着

→べラジオオペラ同様にハイペースの皐月賞を先行して苦しい展開になった1頭で、今回は苦→楽のタイミング。元々逃げていたので、「前走逃げられなかった逃げ馬」というオプションが使えるメリットがあるのと、仮に逃げられなくても良い前向きさがあるため、先行策という自分の競馬に徹することができれば、巻き返せるタイミング。人気も全くないので、思い切って競馬をしてもらいたい。

 


2-4 トップナイフ(牡3、横山典弘昆貢

父:デクラレーションオブウォー 前走:皐月賞 9番人気7着

→暮れの中山・ホープフルステークスを逃げて2着激走、休み明けの弥生賞を人気のプレッシャーを背負い馬体減でも2着を確保し、人気より凡走しているので想定より遥かに強い印象を持っているが、ここで馬体を増やせなかったのがかなり痛かったと思えてならない。そして皐月賞はまさかの出遅れで後方待機策も不発。鮮度面の恩恵も薄くなっているのだが、それでもこれまでのストレス疲労は全て吐き出したので、馬体回復が出来て、ゲートが開いた後しっかりと逃げれば「前走逃げられなかった逃げ馬」に該当するため、一応タイミングとしては走れるタイミングにはなるかな。

 


3-5 ソールオリエンス(牡3、横山武史・手塚貴久)

父:キタサンブラック 前走:皐月賞 2番人気1着

→キャリア3戦目、無敗で皐月賞を制覇した新怪物候補。実際無敗の皐月賞馬はこの1984年以降で9頭いて、日本ダービーに出走した7頭の成績は【5・1・0・1】と連対率は85%超。唯一の着外は18年のサートゥルナーリアだが、それでも4着と基本的には走るタイミングにある。この馬の皐月賞は完結Vラインを刻んで豪快に追い込んだが、重馬場の中を16頭ごぼう抜きだったため、思いの外消耗してしまったのではないかと推測する。そして重賞で1番人気1着経験がないこと、これが地味に気になる。それが今回1番人気に支持されるタイミングとなってきていて、その重圧を撥ね退けられるかどうか。また鞍上の横山武は2年前に今回同様無敗の皐月賞馬・エフフォーリアで日本ダービーに挑んでおりハナ差2着と惜敗。先に抜け出したところを差されているため、今回は大事に乗り追い出しのタイミングを少し遅らせる可能性を考えれば、取りこぼすのではないか、そんな気がしないでもない。基本は馬券内、それでも勝てないこともあり得る。もし撥ね退けてきたら、秋以降この馬とイクイノックス、ドウデュースとの対決を楽しみにしましょう。

 


3-6 ショウナンバシット(牡3、M.デムーロ須貝尚介

父:シルバーステート 前走:皐月賞 12番人気5着

→前走の皐月賞は4角4番手ながら5着と掲示板を確保。道中中団で構えて徐々に進出し上手に流れに乗った感じはさすがデムーロ。しかし人気薄での激走でさすがに今回は疲労ストレスを抱えているタイミング、今回はその反動が出そうかなと思う。

 


4-7 フリームファクシ(牡3、吉田隼人須貝尚介

父:ルーラーシップ 前走:皐月賞 4番人気9着

→中京で行われたきさらぎ賞を1番人気で制しているが、少頭数だったためか皐月賞は多頭数戦の内枠で道中揉まれて自分の競馬が出来ずにジエンド。何も出来なかった分ストレス疲労は残していないので、今回条件としては好転するタイミング。しっかりと前にければ3着まではあっても驚かない。

 


4-8 メタルスピード(牡3、津村明秀斎藤誠

父:シルバーステート 前走:皐月賞 13番人気4着

→ショウナンバシット同様、皐月賞を人気薄で激走したタイプ。4走前が未勝利戦、初勝利まで5戦、今回がキャリア9戦目というタイプだが、この10年の勝ち馬で初勝利に時間を要したタイプは同じく皐月賞4着から優勝を果たしたワンアンドオンリー(キャリア3走目に初勝利)くらいしか記憶にないのだが、そのワンアンドオンリーは当時のラジオNIKKEI杯勝ちがあり重賞勝ちの実績を持っていた。この点と前走激走の反動でここは流石に苦しくなると思う。

 


5-9 グリューネグリーン(牡3、石川裕紀人相沢郁

父:ラブリーデイ 前走:前走 皐月賞 16番人気11着

→流石に少しリズムが悪いが、多頭数の京都2歳ステークスを逃げ切っていて経験値は持っている。今回3度目のG1で鮮度面での恩恵も無くなってきているが、まだ前向きさは持っているので京都2歳ステークスと同様の競馬ができればといったところ。

 


5-10 シャザーン(牡3、岩田望来・友道康夫

父:ロードカナロア 前走:皐月賞 8番人気6着

→芝22-芝20-芝24のバウンド延長臨戦。皐月賞は目立つこともなく負けているのだが実は見どころがあるタイプ。初の多頭数戦で戸惑いもあっただろう中で勝ち馬と0.7秒差、3着のファントムシーフとは僅か0.2秒差と踏ん張っていて、Vラインを刻んで前向きさも示してきた。ここに向けてストレス疲労は無いとは言わないが、他の皐月賞組との比較では比較的薄いのと、血統的に東京は向きそうなので前に行って位置取りショックを掛けられれば面白いタイミング。

 


6-11 ハーツコンチェルト(牡3、松山弘平・武井亮) 

父:ハーツクライ 前走:青葉賞 2番人気2着

日本ダービー向きの血統でいうと1番手に挙げられそうなタイプ。前走は勝ち馬の切れ味に屈したもののしっかりと食らいついて2着を確保。その直線は馬群の中を割って出てきており闘争心が高いように映る。暮れのホープフルステークスを使っているが、その後は若葉ステークス青葉賞と比較的ストレスの薄い臨戦過程を進んできたのでストレス疲労は濃くはないだろう。それでも前走が10キロの馬体減でかなり仕上げてきてしまった感があるので、仕上げのお釣りはやはりないように見える。

 


6-12 タスティエーラ(牡3、D.レーン・堀宣行

父:サトノクラウン 前走:皐月賞 5番人気2着

皐月賞で前に行った馬の中で唯一踏ん張った評価されるべき1頭。しかし今回は流石に苦しくなるタイミング。まず皐月賞当日が馬体をしっかり絞って出てきて人気以上に走っているところ。弥生賞皐月賞を人気以上に連続好走し、その馬が日本ダービーでも好走するのは相当にキツい臨戦であること、今年に入って重賞を既に3回も走っていて1戦多いかなと思うこと。以上の点から今回は全て逆ベクトルに働きそうなので、苦しいタイミング。

 


7-13 シーズンリッチ(牡3、戸崎圭太久保田貴士

父:ドゥラメンテ 前走:毎日杯 5番人気1着

→芝20-芝18-芝18-芝24のバウンド延長臨戦。皐月賞への最終便という位置付けである毎日杯からの直行ローテは、2年前のシャフリヤールが見事に成功事例を作っており決して悪い臨戦というわけではないのが現代競馬。内容も馬群を割って勝ち切っており、相手レベルアップの混戦でも走れそうなイメージを持った。そして皐月賞組よりも遥かに長い中8週の間隔を空けて出て来れるのはかなり魅力的で、たとえ毎日杯で人気以上に激走していたとしてもストレス疲労は薄めて来られるはず。人間同様に競走馬も、ストレス社会からは少し時間を空けてあげることで回復する。人気大幅ダウン臨戦でG1初挑戦の鮮度面での恩恵もあり、買い材料が多数なのでかなり面白い。

 


7-14 ファントムシーフ(牡3、武豊西村真幸


父:ハービンジャー 前走:皐月賞 1番人気3着

共同通信杯を先行策で勝ったが、延長臨戦の皐月賞では控える形の逆位置取りショックとなり届かず3着と凡走。それでも日本ダービーへの布石はしっかり打てた印象。ただ残念なことにルメールに振られるという痛恨の事態が発生し、テン乗り武豊を起用することに。この武豊はおそらくこの馬をしっかりと研究してくるでしょうし、共同通信杯と同じような競馬をすることがあれば、前走からの位置取りショックがかかるタイミング。彼ならこの大一番でどうやったら勝てるかの答えをしっかりと出してくるので無難な選択肢になりそう。

 


7-15 ノッキングポイント(牡3、北村宏司・木村哲也) 

父:モーリス 前走:毎日杯 2番人気2着

→シャフリヤールが開拓したローテからもう1頭挑戦するのがこの馬。毎回1番人気または2番人気に支持される信頼と実績のノーザンファーム生産馬で、昨年6月のデビューでルメールを使っていることからもかなり期待値の高い馬なのでしょう。しかしここまで重賞勝ちはなく、G3の2着だけで期待度からすると物足りないと思われるのかもしれない。ちょっとだけ不器用なのかなという印象ではあるが、今回は生涯初の大幅人気落ちのタイミング。2番人気2着からの臨戦でシーズンリッチよりもストレス疲労は少ないであろうし、前走Vラインを刻んできて走る気は十分感じられる。ここで大激走をしても驚かない。

 


8-16 パクスオトマニカ(牡3、田辺裕信久保田貴士

父:ヴィクトワールピサ 前走:プリンシパルステークス 2番人気1着

→初重賞のスプリングステークスで自分の競馬が出来ずに凡走したが、前走で日本ダービー出走のために馬体を絞り、延長臨戦を「前走逃げられなかった逃げ馬」というオプションを使って快勝。したがって今回はお釣りがないかなというところ。楽→苦のタイミングなので厳しいかな。

 


8-17 ドゥラエレーデ(牡3、坂井瑠星・池添学

父:ドゥラメンテ 前走;UAEダービー 2着

→芝20-ダ19-芝24の超異端バウンド延長臨戦。G1勝ち馬でソールオリエンス以外で格を持っているのはこの馬のみ。前走ダートという異端性に加え、しかも海外でも走るという他馬にはない圧倒的な経験値。今までの常識を全て超えてきそうな勢いを感じる。毎日杯ローテと同様に中8週の間隔が空いたローテーションというのも魅力的だし、先週のオークスで2冠を達成したリバティアイランド同様の父を持つ。毎回前に行く自分の競馬も安定して出来るタイプであり大崩するというイメージはなかなか持ちにくい。枠が大外というのを嫌われて人気がないなのであれば、それすらもプラスに捉えさせてくれる魅力がある。全然走ってきてもいい。

 


8-18 サトノグランツ(牡3、川田将雅友道康夫)

父:サトノダイヤモンド 前走:京都新聞杯 1番人気1着

→芝24-芝22-芝24の理想的なバウンド延長臨戦。この京都新聞杯ローテも古くはアグネスフライト、この10年でもキズナが勝ち切っているためそんなに問題にしなくてもいい。3連勝して良いリズム、延長実績も持っているが、毎回接戦でストレス疲労は多少あるだろうし、大外枠はやはり痛恨。鞍上の川田が当日の馬場を見て内が伸びると判断し、早めに内に入れて競馬出来れば良いが、そこまでで結構脚を使ってしまう可能性もあるので今回はやはり厳しいかな。